歯科事務から医科事務への転職はできる?
歯科事務と医科事務は同じ医療事務でも異なる、ということは先の項目でもお話しした通りです。
では、歯科事務から医科事務への転職は可能なのでしょうか?
結論から言えば、答えは「できる」です。しかし、そう安易に転職できるものではありません。
医科と歯科は業務がまるで異なり、またレセプト作成時の用語も全然違います。
ですので、今まで歯科事務として働いてきた人が次に医科事務を目指す場合は、医科事務の仕事の勉強が必要になってきます。
また、小さな病院への転職ですと、歯科事務にはない業務が医科には山ほどありますので、それをこなしていく覚悟も必要です。
歯科医療事務をやっていた人が未経験で医療事務を目指す人より有利なことは、その仕事のハードさと給料の安さを知っている、という点です。
歯科医療事務ももちろん簡単な仕事ではありません。用語は違いますがレセプト作成も行います。大事な業務のおおまかな流れについては既に理解しているわけです。
業務内容に、医科医療事務と歯科医療事務でかぶるところも出てきますので、勝手さえ覚えてしまえばあとは未経験の人よりも早くスムーズに仕事をこなせるようになるという利点があります。
ですが、デメリットももちろんあります。
なまじ歯科医療事務として実績を積んでいるだけに、医科医療事務へと転職した際、しばらく職業への違和感がぬぐえない、ということがあります。
同じことをやっているはずなのに全然することが違う、何故だ、という戸惑いが、慣れるまではつきまとってしまいます。
また、用語の違いにもかなり苦戦することになります。
今まで医療事務として仕事をして、仕事に慣れていただけに、この違和感を乗り越えるのは非常に大変なこととなってきます。
ではその違和感を回避するためにはどうしたらいいのか。
答えは簡単です。医科医療事務としての勉強を、採用される前によくしておくことです。
簡単な例を出すと、医科医療事務としての資格を取り直せばいいのです。
医科医療事務の資格を取り直す上で、医科の勉強は充分にできます。
資格を取得してしまえば、他の医療事務を目指す人と条件は何も変わりませんから、採用された際には医科医療事務として問題なく働くことができるわけです。
資格を取得する、というのは、ただ単に就職に有利になるだけではありません。
資格を取得する際に行う勉強で、その職業への理解を深めることができるのです。
業務を最初から理解していれば、まるで何も知らない状態で仕事を始めるよりも、心構えができますよね。
もちろん、仕事をやり始めないと理解できないことはたくさんあります。
しかしながら、まず業務内容に触れておく、というのは、仕事を行う上で重要なことになってきます。
まるで未経験の人がはじめての業種で仕事を始める際、慣れるまでに6ヶ月、一人前になるのに1年がかかる、というのはよく言われることです。
しかし、資格を取得する上で勉強をしていれば、一人前の医療事務になるのには、1年がかからないかもしれません。
それは歯科事務の人にも言えることです。
歯科事務の人は既に医療事務としての経験があるため、もっと早く業務をつかむことができます。
ですので、歯科事務の人が改めて医科事務の勉強を行うということは素敵なことですし、頑張って欲しいとも思います。
歯科事務の人が医科事務を改めて志す理由は人によって様々でしょう。
医科のほうが後々転職する際に有利なことに気づいた、引っ越した先に歯医者がなくて就職ができないから医科を目指そうと思った。
こういった、さらには他の、様々な理由があると思います。
しかし、歯科事務から医科事務へと転職をしようとする人に、一つだけ心がけて欲しいことがあります。
それは、歯医者と一般の病院では、訪れる患者さんがまるで違う、ということです。
歯医者の場合、死の危険を感じたから歯医者に訪れる、という人はまずないことだと思います。
しかし、一般の病院の場合は、死の危険を感じている、または死のふちに瀕している患者さんがたくさん訪れます。
そこまで危険な状態でなくとも、歯医者よりも深刻な状態の患者さんが訪れることが多数あります。
歯医者では大丈夫だったことが一般の病院に行くとまるでやってはいけないことだ、ということもあるでしょう。
それは、来る患者さんの種類が違うので当たり前のことです。
ですので、歯科事務として接客マナーは積んだ、と思っている人でも、医科事務になればまた別の接客マナーが要求されることになってきます。
医科事務の人であれば科によって接客マナーが異なることは理解できますが、歯科医療事務だとそうはいきません。
歯科事務と同じ接客態度をしていて、その接客態度が不正解になる可能性が往々にしてありえる、ということを充分心がけ、理解した上で医科医療事務を目指していってくれることを望みます。